カヤネズミ分布調査プロジェクトの第2回目を行いました。
今回は、釜無川を北上し、韮崎市円野の午頭島公園、韮崎市水神の釜無川河川緑地公園で調査を実施しました。
結果、いずれの調査地も、カヤネズミの巣は確認出来ませんでした。
今回の2地点は、いずれも広大なカヤ原があることが事前に分かっており、まず確認できるだろうと当たりを付け、調査を行ったので意外な結果でした。
調査レポート
- 調査日:R3年10月2日(日)
- 時間:14:00~17:00
- 天気:秋晴れの良い天気
- 調査地① 韮崎市円野 午頭島公園
- 調査地② 韮崎市水神の釜無川河川緑地公園
韮崎市円野の午頭島公園
公園南側に広大なカヤ原が広がる。セイタカアワダチソウやハリエンジュ幼木が目立つがアレチウリは見なかった。イノシシ、シカの痕跡が多かった。
韮崎市水神の釜無川河川緑地公園
アレチウリ、セイタカアワダチソウ、、クズによるカヤ原の侵略が目立つが、広くカヤ原が存在している。こちらも、河川敷はイノシシの痕跡が多かった。
考察・まとめ
各地点の調査時間は1時間程度なので、今回の結果をもって両地点にカヤネズミが生息しないということは出来ません。しかし、同程度の調査努力量で、複数の巣を確認できた富士川町の富士川親水公園に対して、確認無しというの明らかに生息数は少ないように思います。
一般論として、堤外地(堤防に挟まれて水が流れている側)のカヤ原はという生息地は、平常時はカヤネズミのとっては最適な生息環境の1つといえるでしょうが、大雨が降れば、洪水により生息地が丸ごと水没・流出してしまう恐れのある環境でもあります。
近年でいえば、令和元年10月11日 から13日(台風19号)山梨に大きな被害をもたらした台風19号の影響で、釜無川堤外地でも大きな洪水がありました。
この台風により、釜無川堤外地のカヤネズミの個体数が大きく減少したことは間違ありません(カヤ原が水没・流出していますので)。
令和元年10月11日 13日(台風19号)の大雨
富士川の出水状況(第4報)令和元年10月25日国土交通省関東地方整備局
甲府河川国道事務所資料より
それでも、堤内(堤防によって洪水氾濫から守られている住居や農地のある側)や、残存した環境で生き延びた個体により、カヤ原の再生とともに個体数を回復させていくのが、カヤネズミという生物なのでしょう。
今回の結果は、もしかしすると個体数回復の前段階を捉えているのかもしれません。
また、そうだとすると富士川親水公園と韮崎市円野の午頭島公園、韮崎市水神の釜無川河川緑地公園の違いはなんなのだろうと、考えてしまいます。
いずれにせよ、今回の2地点はまた時期を改めて調査を行いたいと思います。
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